「冬の終わり」

076

今日は晴れている
少し黄砂で向こうの山が霞んでいる。
昨日までの冷たい空気と薄暗い日差しが嘘のように。
唐突な訪れは、僕を浮きだたせ何かをせがんでいるようだ。
冬の終わりと訪れの落差に、僕は戸惑っている。

昨日が終わったようだ。
じっと寒さや憂鬱を我慢していた大地が解き放たれた。
新しい生の始まりは、以前の生の終わりを気にもかけず。
僕の戸惑いは、浮ついて、日差しさえも無常を映し出す。

新しい始まりは、息吹しその生命力は秩序を意識していない。
次のその時には、見送った季節になるのに。
また、冬はやってくる。燃えさかる活力に冷たい水を浴びせるスプリンクラーのごとく。
そんなサイクルは、僕にとって繰り返えされるシンフォニーでしかないのかも

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