【詩26】海が怒った
海が怒った。僕たちの生命の根源である。
海が怒った。もう涙を信じないと。
トンネルを抜けて僕が信じたものは、海だった。
怖くてたまらない結果だった。
海を好きだと思い知った時は。
海は、川の流れの最終地点。
最終地点が好きだと悟った僕は、ただ、正義の中に埋もれていたかったのに
母の胸に抱かれていたかっただけなのに
海が怒った。理解のできない力で。
海が怒った。全ての涙の代弁者のごとく。
僕を最後に受け止めてくれるはずの海が
皮肉にも、僕たちを傷つける事を選んだ。
海の怒りを涙で償う事はできそうにもない。
最後に頼る海さえも
僕たちを拒絶したのだろうか?
こんな言葉の戸惑いさえも、受け入れていない絶大な皮肉で
海から見はなされた僕たちは、
僕たちの力で海を越えるしかない。
涙を抱えたままで、海から学ぶしかない。
海に頼ることなく。
本当の僕たちの姿を知る意味でも。
そして、これ以上の怒りを買う事を恐れるだけでは、また海は怒るだろう。
2011.12.13 sorry