【詩11】ただ生えた草



風になびき
虫に喰われ
雨が無ければ枯れる
ただ無力、ただ生えているだけの草
全てをまかせ、どんなことにも不満を言わず
ただそこに生える 風流に

どんなに力のある者でも
どんなに魅力のあるものでも
どんなに賢いものでも
自分に合った鎧を着ているだけ

どんな事をささやかれても
どんな魅力的なプランも
どれだけ優しくされても
草はただ風になびいて生えるだけ

荒野に生えた草には地平線だけが味方だ
大地・空気・雨は自分を生かす
だがそれに何も求めない
大地はあったし、空気はその時々の色があり
雨は降りたかったら降る

喰いたければ喰えばいい
刈りたければ刈ればいい
どうでもすきにすればいい

草はただ生えるだけ
意味もなく何の目的もなく
種が風に流されて、ただそこに生える

だって俺は草だ! 
全てに生かされ、全てを受け入れる
拒絶なんてバカらしく
選ぶなんて知らない
ただ、そこに生えていることになっただけ

全ての人々よ、なんでそんなに悩むのだ
なんで人を侮辱するのだ!

俺の様にただ生えてればいいのに

2010.6.8 sorry