【叙事4】ビーナスからの伝言

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僕は無謀な愛の虜になってしまった。
僕の息子くらい若いビーナスに恋をしてしまたから。

なんでその子に恋したのだろう？

多分、純粋に美しく、何にも汚されていないその神々しさに
本当の光を見たからと思う。

彼女を僕の罠によって、大人の駆け引きの中に引き込む事は簡単だ。
君の純真な面持ちを、僕の大人でいくらでもこっちに引き込むことはできる。

僕の汚らしさを彼女が理解したら、それは、大人になることなのだ。

彼女は僕の事を嫌いではない。
若干だが、大人になりきっていない僕を理解しているのだろう。
だからこそ、僕の手の中に彼女はいる。

あなたを汚す事も、あなたを美しく守ることも自分の裁量一つなのだ！

しかし、持て余している。
そんな、美しいあなたを僕の汚らしい慾で食い散らかしていいはずがない。

全てをコントロール出来る自分の前にあなたが現れた。

どうにでも自分の世界を押し付ける事は可能だ！

だが、大きな武器を持っている自分をコントロールできないとすれば、
持っていても使ってはいけない力なのだ！

欲望が目的で無秩序に力を用いるようでは、獣が爆弾を持ったに過ぎないのだ！


ビーナスのような美しいあなたが現れた。
そして教えてくれた。

コントロールできないような大きな力は、自分で封印しておくべきと。
身に余る力は、自分を滅ぼすのだと。

多分、君の「神々しい美しさ」に全てを理解したのだ！

ありがとう、ビーナス。
僕を一つ大人に導いてくれた。

コントロールできない力を用いていいはずがない。
それが、お前の現実なんだと教えてくれた。


あなたを破滅させる力を「コントロールできないなら」、
それは、お前の力ではないのだよ。
悪魔からの誘いであり、神から与えられた試練なんだよ。
誰かが自殺してしまう事を肯定できないのと同じで。

2011.05.09 sorry