【世相4】くさい芸人ほど好きだ



また、芸人について書きたくなった。
自分でもなぜこだわるのかやっと分かった。
くさい芸人ほど人生とリアリティーを感じる笑いを持つからです。

私はくさい芸人ほど好きなのです。くさいということはアクが強かったりするわけで、うさんくさいですが、そのような芸人ほど好きなのです(現在はあまり見ませんが)。

何で好きかと言えば、誰も理解しえないようなくさい芸人は、見ているものに「迎合」しない芸を持っているのです。それは、”ハードボイルド”なのです。
うけるだけの芸は口先だけの芸です。しかし、誰も理解できないと思うような芸を貫く人は、受れられないかもというのを乗り越えなければなりません。その芸風は尖った芸なのです。ギリギリの自分をさらけ出す緊張感があり、その芸人の人生を感じるのです。

伸介やタケシまた寛平なども若い頃にはそういう尖った芸をしていました。その芸風はギリギリ感がありスリリングで面白いのです(多少素人ぽい感じもあったと思います)。尖った芸が受け入れられない時、相当厳しい精神状態になる事が予想されます。それでもやるのか?お前は計算できないのか? そして、あえて計算なしでぶつけてくる。この迫力に相当のリアリティーを感じます。そのような孤独で切り裂くような状態で、真逆の笑いをろろうとすることに迫力を感じ、面白さに対しての人生の裏付けを見るのです。

たぶん、切り裂くような芸を見せた時、演ずるものとして最高の賛辞である「ドブネズミ」(The BLUE HEARTSの歌の 例:ジェームスディーンのような哀愁を感じさせボロボロの不良少年)になります。その芸によって3枚目でありながら、強烈な2枚目になり、その上にそのギリギリを乗り越える強さを「一瞬で見せる」事が出来たとき、こちらも安心して爆笑している。そして、「凄いわ。本物の芸人だぁ~」と感じ、尊敬の念を抱くほどです。近年、オカマさんたちがそんな感じを持つような気がします。

サラリーマン風みたいライトな芸人が多いですが、アクが強くて受け入れられるかどうかというギリギリの線をさらけ出した芸人ほど本物であります。やすしきよしのやっさんもそんな大物でした。その生き様、それ自体が一つの芸という感じがします。

ハードボイルドなピエロをまた見たいです。

(2012.2.8 追加記入)
最近の芸人さんの中にも、チラホラそんな大物的な人を見かけます。誰かは言いませんが、また、楽しませてください。

2009.01.23 sorry(2012.2.8 改訂)